さて、高周波の機器を開発・設計するにあたって必要なプリント基板はどうやって選定することが必要なのでしょうか。通常、高周波回路に採用されるプリント基板は使用する周波数・許容されるサイズ・入手性・コストなど総合的に判断して最適なプリント基板の材質を選択することが重要となりますが、高周波基板を設計する上でその高周波特性を左右する代表的な項目は下記となります。
・誘電率(信号の高速化・配線の小型化)
・低誘電正接(信号損失の低減)
・誘電体厚み(インピーダンスの安定)
・回路の精度(インピーダンスの安定)
・回路の材質(信号の高速化・信号損失)
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信号の速度について |
周波数を高くすることの一つの目的は、信号を早く伝達することです。従って高周波回路においては信号の速度が重要です。下記の式から分かるように誘電率εが低ければ低いほど、信号速度は速くなり、光速に近づくことが分かります。従って高周波の中でも周波数の高い帯域を扱う場合においては、誘電率εの低いプリント基板を扱うことが最適なことが分かります。
なお、高周波用途でよく使用されるテフロン基板は、一般的な用途でも使用されるプリント基板の代表格であるFR-4と比較して、誘電率ε
と誘電正接(tanδ)が低いことはもちろんのこと、その周波数依存性や温度依存性も非常に安定していることが特徴です。こうした使い易さもあいまって、テフロン基板は幅広い分野で使用されています。
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